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第2回「やさしい日本語」ユース作文コンテスト審査結果発表、最優秀賞は八洲学園大学国際高等学校の豊泉理紗さん(2年生)

<2025年12月12日発表>


一般社団法人やさしい日本語普及連絡会(代表理事 吉開章)主催、第2回「やさしい日本語」ユース作文コンテストは7都県および海外2カ国、17の高校から31作品の応募がありました(応募のあった学校の都道府県:山形県、群馬県、茨城県、埼玉県、東京都、愛知県、沖縄県)。

 

テーマは見かけなどの印象から直接話すことを避けたり避けられたりする「第三者返答」という現象について、同名のショートムービーを参考に、自身の体験と考えたことを作文にするというものでした。2025年11月21日に開催された審査委員会の厳正な審査により、最優秀賞1作品、優秀賞5作品を選出しました(優秀賞の並びは受賞者の名前の50音順)。

 

最優秀賞 八洲学園大学国際高等学校(沖縄県) 2年 豊泉 理紗(とよいずみ・りさ) さん(韓国Busan Foreign School留学中)

 

優秀賞 米国Clear Lake High School 3年 加藤 里桜 (かとう・りお)さん


優秀賞 埼玉県立大宮中央高等学校 5年 髙橋 柚花(たかはし・ゆずか) さん

 

優秀賞 東京都立砂川高校 2年 中島 苺華(なかじま・まいか) さん


優秀賞 中村高校(東京都) 1年 山崎 麻夏(やまざき・まなつ)さん


優秀賞 東京学芸大学附属国際中等教育学校(東京都) 5年 吉住 知紘(よしずみ・ちひろ) さん


すべての作品は、上記タイトル名のリンクからご覧いただけます。



以下、審査講評です。


最優秀賞 八洲学園大学国際高等学校(沖縄県) 2年 豊泉 理紗 さん

(韓国Busan Foreign School留学中)


ハワイ・韓国・日本での実体験をもとに、「第三者返答」をそれぞれの国や地域の文化の特徴と結びつけて丁寧に解釈しているのが印象的な作文です。多様性の受容、スピード志向、思いやりといった特徴をとらえつつ、「第三者返答」の背景を説明する視点は説得力がありました。「まっすく返そう」というタイトルのように、作者の力強いメッセージが感じられる作品です。(講評:審査委員長 山脇啓造)

 

優秀賞 米国Clear Lake High School 3年 加藤 里桜 さん


アメリカでの実体験をもとに、自分自身の体験だけでなく、母親が目の前で第三者返答を受けた場面を描いている点がとても印象的です。誰の声をどういう判断で信頼するのかという視点は、第三者返答の本質を捉えています。日本の社会問題にも触れ、未来を作るのは私達だという力強いメッセージが伝わる素晴らしい作品です。(講評:井上くみ子)


優秀賞 埼玉県立大宮中央高等学校 5年 髙橋 柚花 さん


「第三者返答」の動画をきっかけに、自分の経験を振り返り、彼女にとっても大きな気づきがあったことが伝わってきます。自分が「やってしまった側」「されてしまった側」の両方であることを自覚し、だからこそ自分がどうすべきかを深く考えています。社会を変えるために、自分の言葉と行動からはじめたいと、とても前向きな姿勢がよく伝わってきました。(講評:井上くみ子)

 

優秀賞 東京都立砂川高校 2年 中島 苺華 さん


タイ出身の友達や吃音の友達と良い関係であった筆者が、先生からの第三者返答を友人に対する差別だと敏感に感じ取り、許しがたい気持ちを率直に表現している点に強く共感します。大人が見た目や話し方で分類していることを鋭く指摘し、本人は障害や言語の違いを弱点ではなく強みとして、それぞれに良いところがあると強調している点が素晴らしいです。将来は、きっとよき理解者になることでしょう。(講評:井上くみ子)


優秀賞 中村高校(東京都) 1年 山崎 麻夏 さん


スケボーと同様、コミュニケーションも「挑戦と失敗」であるという比喩が腑に落ちました。さまざまな背景とニーズの人々と公平にコミュニケーションができるようになるためには、何らかの「マニュアル」に頼るのではなく、自分の経験、つまり試行錯誤を繰り返すしかないということを分かりやすく説いた作文です。また、「多文化共生」「人権」「差別」などをめぐる今回のようなテーマは、考察が抽象的になってしまいがちですが、目の前にいるイケメンと上手くやりとりできなかった悔しさを、「第三者返答」をしてしまった自覚として描いたところがなかなか、ナイストリック!受賞、おめでとうございます。(講評:オストハイダ・テーヤ)


優秀賞 東京学芸大学附属国際中等教育学校(東京都) 5年 吉住 知紘 さん


「第三者返答」のテーマは、登場人物が3人、それぞれから発話の相手が2人いて、掛け合わせると、どのパターンについてどういう視点で話すのか、とても複雑です。吉住さんの作文は、そのうちの2つのパターンについて明確に特定した上で、違う視点を対照させてとても分かり易く共感できました。その上で、その考察を今後の共生社会のヒントにしている点は先見性があり、是非これからの共生社会づくりの担い手になって欲しいと思います。(講評:佐々木聖子)



<コンテスト概要>

 

主催:一般社団法人やさしい日本語普及連絡会

共催:

・にほんごぷらっと(日本語教育情報プラットフォーム)

・ことばとまなびインターナショナル(株)(にほんごぷらっと運営事務局)

後援:明治大学国際日本学部

協賛:アルファサード株式会社

協力:株式会社ダンク


審査員

(委員長)山脇啓造(明治大学国際日本学部教授)

     オストハイダ・テーヤ(関西学院大学教授、「第三者返答」提唱者)

     佐々木聖子(公益財団法人入管協会業務執行理事、出入国在留管理庁初代長官)

     井上くみ子(一般社団法人やさしい日本語普及連絡会設立社員・代表補佐)

​​※主催者代表でありショートムービー「第三者返答」プロデューサーの吉開は最終審査に関わっていません。


コンテスト告知ページはこちら

 

<ショートムービー「第三者返答」>

やさしい日本語ツーリズム研究会(現在は当社団の事業の一部)が、明治大学国際日本学部横田雅弘ゼミナールと協力し、インクルーシブ な社会の実現を目指して、「 第三者返答 」をテーマとする同名タイトルのショートムービーを2022年9月30日に公開しました。前年のやさしい日本語ラップ「やさしい せかい」に続き、明治大学国際日本学部との協力による2作目の映像作品となります。


音声ガイドバージョン

<一般社団法人やさしい日本語普及連絡会について>


やさしい日本語を広める法人同士がつながり、連携して活動を社会にアピールすることで、持続可能な形で多様性を認め合う社会づくりに貢献することを目指す。株式会社電通でやさしい日本語ツーリズム研究会を立ち上げた吉開章が、独立して2023年4月4日設立。


代表理事:吉開 章


お問い合わせ: akira.yoshikai (アットマーク)yasanichi.com





 
 
 

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